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消費税が平等な負担だという大嘘。消費税の逆進性という問題点。

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さて、消費増税まであと20日余り。

最近はテレビや雑誌でも増税前の駆け込み需要を煽る特集がよく組まれていますね。車とか家のような高額商品はもとより、なんとダウンジャケットが今売れているそうです。

そういうニュースを見聞きする度に、多くの人が「消費税の増税は仕方ない」と受け入れていているように思われますが、敢えて書きましょう。

「本当にそれで良いんですか?」と。

 

誰もが「消費増税ウェルカム!! やった! 増税だぜ!」と思ってはいないはずです。

でも「少子高齢化が進む日本では社会保障の財源が必要なんです。国民みんなで痛みに耐えましょう!」という理由を突きつけられて、「嫌だけど仕方ない・・・」と受け入れざるを得ないというが実際のところではないでしょうか。

 

実はこの消費税という政策にはいくつもの問題があります。

今日はその中でも一般に信じられているのとは違い、「消費税ほど“不平等な”課税はない」ということについて解説してみたいと思います。

 

[今回の内容]

 

消費増税が行われる理由

さて、先程も書いたように、消費税を増税する理由は表向きは「少子高齢化が進む日本で安定した社会保障費が必要なため」ということになっています。

しかし、社会保障費の捻出が必要ならいくつも他の税金があるはずです。例えば民間企業に課される法人税もそのひとつでしょう。

ですが、よりにもよって国民全員に負担を課す消費税が採用されるのです。その理由は大体このようなものです。

・社会保障は国民全員の将来を支えるもの

だったらそれによって利益を受ける国民みんなが負担をするべき。

消費税なら消費をする人全員から均等に徴収できるから、平等な負担を実現できる

 

という感じです。

一見もっともらしい論理です。しかし、消費税は本当に“国民全員にとって平等な負担”なのでしょうか?

 

消費税ほど“不平等な”税制はない

消費税というのは文字通り「消費に対する税金」ですから、現代社会においてどのような人間でもこの税金からは逃れられません。車とか家といった高い買い物だけではなく、食料品や衣服を買うなどのあらゆる消費行動にかけられる税金だからです。

つまり、所得の高い人であっても、生活保護を受けるような所得の低い人であっても全員が負担するということになります。

ただ、ここで問題になるのは所得の高い人と所得の低い人の間では「行きていくために最低限必要な生活必需品」の割合が違うということです。

所得が低い人は全収入に対する生活必需品にかかる費用のが高くなります。逆に所得が高い人は全収入に対する生活必需品(A)にかかる割合が減ります。

 

仮に年収200万円の低所得者と、年収1,000万円の高所得者で生活必需品にかかるお金が同じ100万円だったとしましょう。この場合に消費税が8%から10%に上がると、生活必需品にかかるお金が108万円から110万円に上がります。

低所得者の方は生活必需品で年収の半分以上を持っていかれます。その上で2万円も追加で徴収されるようになります。

しかし、高所得者の方は消費税が108万から110万円になったところで、生活必需品にかかるお金を除いた額が892万円から890万円になるだけです。

仮に負担する額が同じだったとしても、低所得者の方が明らかに「増税による痛み」が強くなる訳です。

これを「逆進性」と言います。

 

消費税という税金はみんなに“額面上”平等に負担されるゆえに、それによる“痛み”が低所得者ほどきつくなるという逆進性が非常に強い税制なのです。

つまり、消費税というのは「国民みんなで負担を分かち合う」どころか、低所得者により多くの負担を押し付ける税制なのです。

消費税による社会への影響を考える時には、この逆進性は決して見逃してはいけません。 

 

 

 

消費税は輸出企業への補助金である 

ちょっと蛇足になってしまいますが、もう一つ皆さんに知っておいて頂きたいのは「消費税というのは元々輸出企業への補助金として発足した制度である」という事実です。

詳しくは以前投稿した下記記事をご覧頂きたいのですが、簡単に説明すると・・

 

消費税の対象は私達国民が普段の生活で支払う消費だけではありません。企業活動においても同様です。パン屋が小麦粉や卵などの材料を別の会社から買ったり、電器屋が家電メーカーから商品を購入したりしても当然消費税が掛けられることになります。

ただ、この消費税の課税対象には例外があります。

それが輸出向け商品です。

輸出用に作られた商品は国内での消費ではないため課税対象外です。

しかし、実際の消費税の支払いにおいて、いちいち「これは輸出用。こっちは国内用。」と分けることはできません。実際に自分が経営者だったらと想像すればわかりますが、そんな面倒臭いことやっていたら仕事がいつまでも終わりません。

ですから、とりあえず全ての商品分の消費税を払っておいて、輸出用商品に関しては後日申請して「払いすぎた分(還付金)」として返還されるシステムになっています。

実はこのシステムを使うと、実際の輸出適用金額よりも多くの金額を還付金として受け取ることが可能なのです。

したがって、輸出企業にとっては消費税が上がるほど還付金が多くなるという恐るべきシステムになっているのです。

 

 

 

それでも消費税は平等な税金か?

いかがでしょうか?

世間一般で言われているのとは逆に、消費税がいかに不平等な課税システムなのかがおわかり頂けましたでしょうか?

「将来にわたって社会保障システムの守っていくためには税制改革が必要」だというのが本当だとしても、「だから消費税」という選択がいかに愚かであるかがお分かり頂けたのではないかと思います。

 

政府はいまだに「10月1日から消費増税を行うことを決定しました」とは明言していませんが、今回の消費増税は恐らくもう止められないと思います。しかし、与党内には既に「10%の消費税がゴールではない」などと言って、さらなる増税を目指す声が出ているようです。

このまま黙っていれば「社会保障システムの安定的な運営のため・・・(以下略)」というお題目の下、次々と増税が行われるのは間違いありません。

「少子高齢化だから」「社会保障を守るのは大事だから」という大義名分で思考停止することなく、一人でも多くの人が「それって本当なの?」と考え、そして事実を知ることが自分たちの未来を変える力になるのです。

 

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆