Dive Into The World

話題のニュースがどんな意味を持つのかを分かりやすく解説。普通の人たちと専門家をつなげるようなブログを目指します。

いつまで日本人は年金問題の的外れな報道に翻弄されるのか

今バリバリと仕事をしてらっしゃる現役世代、そして将来社会に出て仕事をすることになる若者にとって気になることの1つ。それが老後の生活を支える年金をちゃんと自分が受け取れるかどうかです。

 

以前から「日本の年金制度はいつか破綻する!」と言われていて、現役世代は「自分たちはもらえないんじゃないか。いや、もらえないに違いない。」と感じている人が多いので、年金問題はなにかと世間よりはを騒がせます。

そんな中またまた「年金制度は破綻している!若者は年金貰えない!」という話題が再燃する報道が出ました。

厚生労働省の発表自体はデマでも作り話でもないと思います。

ただ、それを巡るメディアの報道の内容が酷すぎる。というか、事実誤認に基づく嘘ばかりで話になりません。

 

お金の話というのは誰もが飛びつくので視聴率を稼ぎたいのは分かるのですが、はっきり言って

多くのメディアが報じている問題というのは、どうでも良い話しばかりなので、聞く必要ないです。

それより日本の社会保障においてはもっと大きな問題があるのだということを今回は書いてみようと思います。

 

そもそも年金制度は破綻しない

いきなり結論めいたことを書いてしまいますが、そもそも世間で騒がれているような今の現役世代が老後に年金をもらえなくなるということはあり得ません。 

 

理由は至って簡単です。

皆さんは当然日本円で年金や社会保障に関する費用を支払っていると思います。

具体的にそのお金は銀行などを通して日本政府に支払っていますね。

この「日本円」というのは、日本だけで流通している通貨で、日本政府が発行する独自通貨です。そして日本政府にはその通貨の発行権があります。平たく言えば、日本政府はいくらでもお金を刷れるのです。

ですから、もし年金などの社会保障費の支出が大きすぎて、国民から集めているお金では足りないということになれば、日本政府がお金を発行すれば済む話です。

 

ただ、そうすると恐らく多くの人が

「だったら、何で政府はこんなに大騒ぎしているの?」

「っていうか、お金を政府が発行すれば済むんだったら、そもそも年金払わなくても良いんじゃないの?」

と思われるでしょうから、その点も説明しましょう。

 

そもそも政府は税金で運営されているわけではない。 

先程「社会保障費が足りないなら政府が日本円を発行すれば済む」と書きました。

恐らくそう言うと「じゃあ、年金だけじゃなくて税金も払わなくても良いじゃん」と思われるでしょう。これは半分正解で半分不正解です。

 

ほとんどの国民は「自分たちが払っている税金で政府が運営されている」と思っていると思います。ですが、それがそもそもの間違いなのです。

考えてもみてください。

例えば私達が払っている税金で政府が運営されているとしましょう。もしそうだとしたら、今この時点の政府や公共機関はどうやって運営されているのでしょうか?

私達がお金を稼いで、税金を支払い、それを元に公共機関が運営されているのだとしたら、運営費は全て後払いのはずです。公務員の給料も後払いでしょう。少なくとも年度末に行われる確定申告の後でないと、いくら税金が徴収できたのかも分からないので、公務員に支払う給料の計算もできないはずです。

 

でも、そんなことあり得ますか?

あり得ませんよね。

先程書いた通り政府は日本円を発行する権利があります。ですから、先に政府が予算を組んで、お金を使い、その使ったお金が銀行や民間企業に流れていく・・・それが正しい流れなのです。

 

税金を徴収してから政府が運営されるのではなく、政府の運営がされて支払われた費用が民間に流れていく。その一部が税金や社会保障費支払いなどとして政府に戻っていくのです。

 

なぜ税金を集めるのか

だとすれば、次に浮かぶ疑問は「じゃあ、なんで税金を集めないといけないのか?」です。いくらでもお金を発行できるなら、配りっぱなしで良いじゃないか。なんでもう一回集めるんだ??と。

 

これも理由は簡単で、お金を配りっぱなしにすると物価上昇が抑えられなくなって、過剰なインフレーションになるからです。インフレーションが過剰になると、それが通貨の価値がなくなって経済をコントロールできなくなる。

つまり、過剰なインフレーションにならないようにするために、税金で徴収しているのです。

 

ところで今の日本はデフレです。デフレとは物価が継続して下落すること。単純に物価が下がるだけなら良いのですが、賃金も低下して、さらにその賃金低下を上回るスピードで物価が下落することがデフレの怖いところです。

そして、先程「税金を徴収するのは過剰なインフレーションにならないようにするためだ」と書きました。だったら、デフレで苦しんでいる日本ではむしろ減税するのが正解だということになります。

 

そういう意味では「将来の社会保障費を確保するために税金を上げるために消費増税!」は間違っているということになります。少なくとも現在のデフレ不況においては。

 

年金の問題は「お金が足りないこと」じゃない。

ちょっと話が逸れましたので、年金に話を戻しましょう。

この年金問題も根幹は同じで、税金と同じく「みんなから集めたお金で年金制度を運営している」と思っているから、「国民から徴収した年金では運営できない!」「国民は自助努力で何とかしろ!」という話になるのです。

税金と同じく年金についても政府が日本円を発行して、補填すれば良いだけの話です。別に誰も困りません。むしろ今の現役世代や若者が「年金は確実にもらえる」と理解し、将来不安が軽減することが消費が伸び、経済が活発になるので良いことずくめなのです。

 

ですから、年金が将来支払われるかどうか?は大した問題じゃありません。確実に支払われます。ただ、それとは別の根本的な問題が年金・・・・というか老後を支える社会保障制度にはあります。

それは「ちゃんと年金が支払われても、そのお金で買えるサービスが将来提供されているかどうかが分からない」ということです。

 

仮に毎月20万円とか年金が支払われたとしましょう。50万円でも100万円でも良いです。でも、そのときに例えば老人向けの介護施設がそもそも存在しなかったらどうしますか? 介護サービスを提供する介護士がいなかったらどうしますか? お金がいくらあっても、医療や介護サービスを担える人がいなかったら何ともならないのです。

本当に問題なのは、お金があってもそのサービスを提供できる能力が存在しなければ、ただの紙くずなんですよ。

 

ありもしない年金問題でもめてる場合じゃない。

今後少なくとも20年以上は少子高齢化が進みます。

そうなると医療や介護が必要な人口が増える一方、それを担える人口は減ります。こればかりはお金があっても何ともなりません。

私達が真剣に考えなくてはならないのは、「年金」というお金のことではなく、今後増加する医療や介護サービスなどをより少ない現役世代で提供できるような、供給能力を増強です。そのためにAIやロボットの開発、医薬品の研究などに真剣に取り組まなければなりません。

 

そのために必要な分野にしっかり投資をし、社会制度も整えていくこと、それこそが日本政府がやるべきことであり、私達が政治家にもとめて行かなくてはならないことです。

政府が“ありもしない年金問題”で現役世代の不安を煽り、それに対して国民が「年金詐欺だ!」と騒ぎ立てる。そんな内輪もめをして時間を潰しているほど、日本は暇ではないのです。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆