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ウーバーとかAirbnbって何? 話題のシェアリングエコノミーを解説

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最近よく聞くようになった言葉に「シェア」というものがあります。

シェアと言えば昔はレストランで大盛りパスタを頼んだ時に、「みんなでシェアしようか」程度の使い方でしたが、最近はライドシェア、カーシェア、シェアサイクルなどなど、いろいろな物をシェアするようになりましたね。 

 

その中でもここ数年はウーバーイーツ、Airbnb (エアビーアンドビー)といった「シェアリングエコノミー」と呼ばれる新しい業態が話題になるようになっています。

今回は

「シェアリングエコノミーって美味しいの?」という方のために(笑)

・シェアリングエコノミーとはなんぞや?

・その問題点

について解説してみたいと思います。

 

 

そもそもシェアリングエコノミーって何?

さて、いきなり小難しく申し訳ないですが、やはりここは公的機関の定義から入ってみましょう(笑)。 

 

内閣官房シェアリングエコノミー促進室によると、シェアリング・エコノミーとは

「個人等が保有する活用可能な資産等(スキルや時間等の無形のものを含む。)を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動」

だそうです。

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うーん、難しい表現ですねww

っていうか、そもそも「内閣官房シェアリングエコノミー促進室」ってなんやねんww

いつの間にそんな怪しい組織がww

 

それはともかく。

まぁ、簡単に言えばみんなが何かを購入して所有するのではなく、それぞれ持っている物やスキルを共同で使うようにしましょうってことです。

具体的には民泊仲介業者のエアビーアンドビーや、日本でも以前よくあった“白タク”手配のウーバーなどを総務省も挙げており、シェアリングエコノミーは国際的にも普及が進んでおり、日本でも推進すべきだとしています。

 ですが、海外でのシェアリングエコノミーは、ウーバーなどの企業本体はさておき社会的には本当に成功していると言えるのかは疑問が残ります。

 

民泊がもたらしたフランスのホテル壊滅と住宅事情の荒廃

例えばいち早く民泊が推し進められたフランスでは、民泊事業によって800店ものホテルが廃業。日本で民泊事業が解禁になる際には、フランスのホテル業界の重鎮が来日し、「フランスはAirbnbにやられてしまったが、日本はまだ間に合う、フランスと同じ轍を踏まないでほしい。現在フランスでは1日に1軒のホテルが廃業か倒産に追い込まれている」とのコメントを出していました。

さらには、民泊の物件の方が儲かると踏んだ家主が、アパートの住民を追放して民泊に登録したりするなどして、アパートやマンションの供給力が減少。パリ市内の家賃相場は数年で急上昇。

住民が住まいをなくしたために他の地域へと引っ越さざるをえず、学校が閉鎖された地域もあるそうです。

 

シェアリングエコノミーが生み出すサンフランシスコの社会格差

もう1つの例がアメリカはサンフランシスコ。

サンフランシスコと言えば、GoogleやFacebookが拠点を置くシリコンバレーを擁する最先端の都市です。

とても華やかで洗練された街だというイメージがありますが、実は人口一人あたりのホームレスの数はアメリカでもトップクラス。確認されただけでも1万5千人ものホームレスがおり、社会格差がとてつもなく広がっている都市でもあります。

 

例えばそこで働くウーバーのドライバーの労働は悲惨です。

サンフランシスコから11km離れた場所で暮らし、就労時間の保証や賃金保証もないまま、雇用者の呼びかけに応じて勤務する労働契約、いわゆる「ゼロ時間制約」を余儀なくされています。

これはつまりウーバー経由で発注が入り、その時だけ働いて残りの待機時間には一切賃金は発生しないということです。

*2

また、就労中に発生した事故やけがなどに対する保障もありません。当然その階級に属する人たちはアメリカの高額な医療保険に入ることなどできませんから、何が起こっても正に自己責任で日銭を稼ぐ生活をしているのです。

 

このように「シェア」という横文字を使えば、何となく意味がぼんやりしてクリーンなイメージが思いつきますが、実際にはこのシェアという行為の影には社会大きな悪い影響を与える要素もあるのだということは留意しておく必要があります。 

 

シェアリングエコノミーに必要な意外なもの

さて、このようなシェアリングエコノミーですが、実は日本政府は積極的に推進しようとしています。

今年の6月にはシェアリングエコノミーの国際規格を策定する会議を日本で主催したりと、日本が主導してルールづくりをしようとしているのです。

 

政府がそのように前のめりになっているシェアリングエコノミーですが、日本人がどのように考えているのかを調べた総務省のレポートがありまして、そこに「シェアリングエコノミーを信頼して利用するための条件」を調べた結果が掲載されています(平成30年度情報通信白書)。

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利用する側、サービスを提供する側、両方とも最も重視しているのが「トラブルが発生した場合に備えたサービス事業者による保証や介入の仕組みがあること」でした。

次点が「貸し手(もしくは借り手)との連絡手段が確保されていること」。

まぁ、この2つはほとんど一緒ですね。

シェアサービスを利用するのは良いけど、「トラブルになった時にちゃんと対応されるかどうかが恐い」。それは誰でも同じこと。

だからこそ相手が信用できる相手なのか適切な情報が欲しいということです。

 

利用する側に立てばそりゃそうですよね。

サービスの質はもちろん、お金の支払いでのトラブル、あるいは暴行事件などの被害に合う可能性もあります。例えば中国では2018年にライドシェアの利用において運転手が乗客を殺害する事件が2件も発生しています。

日本でもタクシー運転手が酔った乗客に暴力を振るわれたり、料金を払わずに逃げられてしまったりという事件は見られます。

 

ところが、このような心配に対して同じく総務省の情報通信白書ではこのように書かれています。

既にサービス事業者側でも対策を進めつつあり、相手の名前やプロフィールが確認できること、連絡手段が確保されていることなど、利用者のニーズに合わせたプラットフォームの構築が進むことで、シェアリングサービスは今後さらに普及が進むと考えられる。

 うーん・・・これってつまり「安全対策、保証対策は民間サービス企業がやるから大丈夫!」ってことですね。

政府が後押しして進めようとするのであれば、当然その安全面での保証は国が持つべきだと思いますが、そこは民間に丸投げってことですね!! (笑)

推進はするが、お金は出さない、責任は持たない。

それが日本政府! ってことですね。カッケーーーー!!

 

プラットフォーマーが提供する情報は信頼できるのか?

政府が「安全」「信頼」を担保する主体として期待を寄せる民間企業というのは、具体的にはウーバーやエアビーアンドビーといったシェアサービス企業、そしてFacebookのようなSNSといったプラットフォーマー達です。

彼らがサービス利用者の身元を明確にし、さらには利用客がサービス提供者を格付けすることで(食べログの評価みたいなものですね)、サービス提供者の安全性を担保するという訳です。

 

理想としては分かりますが、実際にそのような安全性、信頼性の担保が彼らに可能なのでしょうか?

Facebookの顧客情報が5億4千万人分流出したことは記憶に新しいところです。

またウーバーについて言えば、その利用規約において次のような文言が記載されています。

「ウーバーは、ウーバーのサービスに関連する選挙、投票、住民投票ならびに政治的および政策的手続きに関する情報をユーザーに提供するために、当該情報を使用する場合があります。」

と。

ウーバーを利用する時には当然スマホを使用することになりますが、スマホは個人情報の宝庫です。それを政治的に利用するために使用すると明言しているのです。

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つまり、プラットフォーマーの立場を利用すればいくらでも自分たちの都合の良いように情報を操作できるし、自分たちが不利になるような規制が掛かりそうになったら、その法案を廃案に追い込むための圧力を掛けることさえできる、ということです。

まるで、日本の内閣の深くに入り込んで自分たちの都合の良い法案を通し、都合の悪い法案は廃案に追い込む、某人材派遣会社パソ○グループのようですね。

 

 確かに、性善説が本当であり、全ての人が全ての人の幸福や便利のためにルールや道徳を守って行動するのであれば、シェアリングエコノミーには素晴らしい可能性があるかもしれません。

しかし、人間は必ずしもそうではないということを私たちは知っています。

悪い人と良い人がいるのではなく、どの人の中にも良い面と悪い面があり、それは自分の意図に関わらず周りの環境によっても左右されるものなのです。

 

国民の安全と発展を守ることが国家の役割であるならば、むしろこのようなシェアリングエコノミー活動に対して、必要な規制をかけて日本の文化や考え方に馴染むコントロール方法をしっかり検討することこそが求められているのではないかと思うのです。

 

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆

 

 

*1:平成30年度情報通信白書より

*2:参考: ジェイミー・バートレット「操られる民主主義」

*3:参考: ジェイミー・バートレット「操られる民主主義」