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農林水産省の食料自給率の低さを訴えるパンフレットが恐い

いきなりですが質問です。

もし突然明日からのご飯が「白米は朝と夜に一膳ずつ。昼はふかし芋だけになります!」と言われたら、どうしますか?

「このフードロスが問題になっている現代で、何を馬鹿なことを言ってるんだ」と思われそうですが、案外そうでもないという恐い話を今日はお届けします。

 

農林水産省のパンフレットの内容が恐すぎる

いきなりばらしてしまいますが、今回のネタ元は農林水産省のHPです。

そこに次のようなパンフレットのPDFが掲載されています。

 

<農林水産省HP>

http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/pdf/tabemono_pamph25.pdf

http://www.maff.go.jp/j/zyukyu/zikyu_ritu/pdf/tabemono_pamph25.pdf

 

これは何かというと、「日本の現在の食料自給率の低さでは、外国からの食料品の輸入が止まったら、とんでもないひもじい生活が待っているんだよ!」という警告です。

そして、警告だけでなく、だから日本は食料自給率を引き揚げなくてはならないという現実をみんなに知ってもらおうというパンフレットになっています。

 

上にある画像のようにテイストはほんわかしてるのですが、内容が恐すぎます(笑)。

淡々と日本の食料自給率の低さとその原因、そして解決方法を“ほんわかと”説明しているのですが、一番恐いのが最初にあげた「海外からの輸入が止まったら日本の食生活がどうなるか?」です。

 

その食生活というのがこちら。

 

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お、恐るべし・・・・! 戦時中か!!ww 

私はこれでも自他ともに認める“ぷちグルメ”ですから、そんな食生活になったら気が狂ってしまいそうです。

 

民間努力だけで食料自給率を引き上げ??

そのような生活にならないためにも食料自給率アップが不可欠だとこのパンフレットでは書いてあります。

 

そこまでは良いんですよ。そこまでは。

ただ、その具体策が正直ひどすぎる。

 

生産者、加工業者、消費者、それぞれの立場でできることを紹介しているんです。

例えば

 

生産者「この食料がどこで作られたのか分かりやすくする」

加工業者「できるだけ地元の食料を使うようにする」

消費者「ご飯を残さず食べるようにしよう」

 

という感じです。

さらには一般家庭にも通常の食料品以外に

 

魚介/肉類の缶詰30缶

野菜缶詰30缶

レトルト食品30食

チーズ、ヨーグルトなどの乳製品を2箱

 

備蓄すべき!と推奨。

うーん・・・普通の家庭でそんなに備蓄できないよ・・・。

 

もちろん、別にどれも悪いことではないのです。

しかし、問題は「全て消費者や生産者任せで、農林水産省や政府自身がどう取り組むかについては書かれていない」ことです。

一応「具体的に自給率をどの程度引き上げるか」という“目標”は書かれています。

でも、目標だけじゃねぇ・・・・。

 

結局それって

「目標は出しておいたんで、みんな頑張ってくれよ! (俺は何もしないけどな!)」

っていうことなんじゃないですかね。

 

私はやはり食料自給率の問題というのは、国がちゃんと本腰を入れて取り組まなければ解決できないと思います。

そこで参考になるのがこの国、スイスです。

 

スイスが出した本気の食料自給率向上策を見習おう

スイスと言えばご存知の通り日本と同じように山岳地域が多い国。

そこでは食料自給率の保持も大切なのですが、何と言っても様々な国々と国境を接していますので、国境付近の農地を保護することは安全保障の面でも死活問題なのです。

 

そこで「国民への食料供給を確保するため、連邦は持続可能性を支援し、以下の事項を促進するための条件を整備する」ことを目的とした様々な制度設計を政府に行わせるように憲法改正を行ったとのこと。

しかも、農家の所得の9割を政府が保証。

その上に山岳酪農が対象となる「生産条件不利支払い」が加わり、平野部の畑作農家は「畑作地・永年作物支払い」が受けられるように新制度を発足したそうです。

 

農業においても日本の常識は世界の非常識

日本では政府自らが「これからは攻める農業が必要」みたいなことを言っていますが、こんな馬鹿げたことを言っているのは日本だけです。

例えばアメリカは自国産穀物輸出のために毎年1兆ドル以上の輸出補助金を出しています。

 また、農業所得における政府からの負担は

 

・アメリカは26.4% (ただし小麦は62%、米は58%など腫瘍穀物は50%以上)

・イギリスは95%

・フランスは90%

 

という具合に、農業所得のほとんどが国からの補助金で賄われています。

一方日本は・・・たった15%程度です。

 

 攻める農業とか言ったところで、そもそもの所得の基盤が違うのですから、どれだけ農家が勝負したところで勝ち目はありません(もちろん一部の富裕層向け果物とか、日本でしか栽培できない物と言った、超ピンポイントでは勝てるでしょうが)。

 

普通の国は食料自給率、そして農地保全というのが国家の安全保障に直結するものだと理解しています。

だから国民も承知の上で政府からの補助金を支払う訳です。

ところが日本だけが「農家だけ保護するのはおかしい」などという“嫉妬心”にかられて、自分たちの食を保全する活動を阻害しようというのです。

 

農林水産省も本当に食料自給率向上を考えるのであれば、民間への自助努力を促す前に、まず自分たちができることを考えろ! そして実践しろ!

そう思うのは日本に生きて、日本で食事をしている普通の国民なら誰しもが思うことではないでしょうか? 

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆