Dive Into The World

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イバンカが呼び込むアメリカとイランの緊張悪化

前回の記事でアメリカとイランがどうして仲違いをするようになったのかについて、ザッと歴史的な流れも含めて説明しました。

この記事にも書いたように、両国の間は「すわ戦争か!」というほどの緊張関係は一時期落ち着きました。ところが、これが最近再び関係が激化しているのです。

先日ホルムズ海峡を航行中だった日本の石油タンカーが攻撃を受けたのも、その影響です。

 

さて、では一時期落ち着いた関係がなぜ再び荒れ始めたのか?

その転機となったのは、言うまでもなくトランプ氏の大統領就任です。

 

トランプ自身はイランに対する敵対ビジョンはない?

誤解を恐れずに言うと、トランプ大統領自身の考え方と現状のイランとの緊張関係はそれほど関係がないと思います。

というのは、トランプ大統領自身はむしろ世界の厄介事から手を引いて、アメリカの経済的利益になることに集中する方針を貫いているからです。中国との争いも基本的には貿易のアンバランスを是正し、中国生産の商品の輸入を減らすことでアメリカ国民の職を増やそうとするものです(それが上手く機能しているかどうかは別。あくまで意図としては、です)。

また、日本やヨーロッパに展開する防衛力を弱めるかのような発言をしているのも、揺さぶりをかけて防衛に関する費用を他の国から引き出そうとしている訳です。

 

そういう意味ではイランとの関係をこじらせて戦争に持ち込むこと自体は、トランプ的な経済利益にはあまり結びつきません。確かにイランを叩き潰して石油利権の独占し、それによってオイルマネーがアメリカに還流するということはあるでしょう。ただ、トランプ大統領の支持者たちはそのような資本家よりもアメリカの労働者たちがメインですので、そのようなオイルマネーの資本家のための利益拡大に動くことは極端な話「どうでも良い」話だと思われます。

トランプ自身はそのような資本家たちから、労働者階級のアメリカ国民に政治を取り戻すんだ! と主張して大統領選に勝ったわけですからね。

 

そういう意味では、敢えてイランを叩き潰す戦略に固執するほど敵対的なビジョンは持ってないと思うのです。

では、なぜイランとの関係が悪化しているのか?

 

そこで欠かせないのが、トランプ大統領の娘であるイバンカ氏と、その夫であるクシュナー氏。そして、大統領補佐官であるジョン・ボルトン氏です。

 

トランプ大統領の愛娘イバンカ

イバンカ氏と言えばトランプ大統領の娘として有名です。

なぜトランプからあんな美人が??? と思わずにいられないほど美人ですね。ファッションモデルもやっているそうで、まぁ納得の「才色兼備」です。

当然こんなに綺麗な娘で頭も切れる訳ですから、トランプ大統領が可愛がらないわけがありません。トランプ大統領が世界各国の指導者との会談するときには、それに同席することも度々。しかも、大統領補佐官ということでアメリカの機密情報へのアクセス権を持ち、ホワイトハウスには執務室が用意してあるそうです。

 

ただ、このイバンカ氏ですが実はユダヤ人であることは、あまり日本では知られていません。そしてその夫であるクシュナー氏もユダヤ人。むしろユダヤ人であるクシュナー氏と結婚するために、イバンカ氏はユダヤ人になったのです。

 

イバンカ氏とクシュナー氏を結びつけるユダヤ教

日本人は宗教・・・特に仏教以外の宗教の関係に疎いのであまり知られていませんが、実はユダヤ人というのは一応誰にでもなるチャンス(???)があるのです。

というのは、ユダヤ人=ユダヤ教徒であり、ユダヤ教に改宗すればその人はユダヤ人ということになるのです。「日本国籍を持っていれば日本人」というのとはちょっと違うんですね。

*1

 

ただ、この「ユダヤ教に改宗する」というのが無茶苦茶難しいようです。

ユダヤ教の聖書をヘブライ語で暗誦したり、食事やその他の生活に関する戒律をちゃんと守れるかなどを試される超難関の試験を突破しなければならないそうです。

 

イバンカ氏は無事ユダヤ教に改宗し、ユダヤ人となったそうですから、相当な努力を重ねて試験を突破したのでしょう。それもこれもクシュナー氏と結婚するため、という訳ですから大したものだと思います。

 

イバンカが呼び込む宗教対立

ただ、ユダヤ教と言えばイスラエル。イスラエルと言えばユダヤ教。

イスラエルはご存知の通り周りをイスラム教国に囲まれて、いわば敵国に囲まれているような状況です。イランとは国境を接しているわけではありませんが、核ミサイルを保有するようなことになればおちおち枕を高くして眠ることも出来ません。

 

元々アメリカという国はユダヤ人に対して非常に濃密な関係を持っています。それはトランプ大統領も同じ…どころかまな娘がユダヤ教徒となりその夫も生粋のユダヤ人となれば、イスラエルべったりが加速することは自然だと言えるでしょう。

当然イスラエルに危険を及ぼすイランにトランプ政権の対応が激化するのは避けられません。

 

このように愛しい娘がユダヤ教徒であるということが、トランプ大統領に大きな影響を与えていることは想像に難くありません。

 

もう一つの不安要素は…

このことがトランプ政権のイランへの強硬姿勢のひとつの基盤になっています。そして、その中核を担う男が一人、トランプ政権の中枢に存在します。それがボルトン大統領補佐官。

以前、トランプ政権で国防長官を務めた“狂犬マティス”が

 

「あなたのことは悪魔の化身だと聞いている。あなたのことをお待ちしていた」

 

 と言って、国防総省へ迎え入れた男です。

 

という訳で、次回はこのボルトン大統領補佐官を中心にアメリカのイラン政策について考えてみたいと思います。

 

今回も長文を最後までお読み頂き有難うございました😆

 

*1:※ユダヤ教にも宗派があるようで、いわゆる保守派のユダヤ教の場合「母親がユダヤ教徒でなければユダヤ教徒にはなれない」と厳密に決っているようです。ですから、保守派のユダヤ教徒にはなろうと思ってもなれません。