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デフレとインフレはどっちが得か? 2つの違いを超簡単に説明。

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新しい令和の時代になって早くも1ヶ月が経ちました。

ちょっと前までは平成が終わるなんてあまり実感がありませんでしたが、一ヶ月も経つと案外令和にも馴染んでしまい、「平成」という時代がすっかり過去になりつつあるように思います。

しかし、気分的に令和の時代が馴染んで来たとしても、相変わらず平成を引きずっているものがあります。しかも悪い意味で。それは「デフレ不況」です。

バブルが崩壊し、平成になった直後に消費税が3%から5%へ値上げされたことによって、「デフレ不況」に真っ逆さまに落っこちた日本は、20年どころか30年経ってもちっとも不況から立ち直っていません。

 

デフレから脱したとか言っている評論家もいます。

たとえば竹中平蔵氏も

 

「デフレと言っても物価上昇率はマイナス1%にもならずほぼ横ばいです。見事に物価が安定した社会のように見えます」

 

などと言っている始末です。

自分は安全な身分からこのような発言をする経済学者という存在自体が、デフレ脱却が実現できない諸悪の根源なのですが、恐らくそもそも「デフレ」とはどんな状態なのか。デフレというものが何なのか?についてよく分からないという人が多いのではないかと思います。

さらに、デフレの反対のインフレという状態についても、「物価が上がる現象でしょ。物価なんて上がらない方が良いじゃん。」というくらいにしか理解されてないように思います。

 

ただ、この2つというのは私達の生活はもちろん、これからの日本の将来のことにもとても大きな影響があることですので、知っておいて損はない。むしろ絶対知っておくべき! です。

そこで今回はインフレとデフレがそれぞれどんな状態のことを言うのかについて、経済学のことなんて何も知らない方にもわかるように、ちょっと整理してみたいと思います。

 

経済はインフレかデフレかのどちらかしかない

そもそも経済の状態というのは2つの状態しかありません。

一つはインフレ。もう一つはデフレです。

この名前自体は聞かれたことはあるかと思います。

 

さて、新聞とかでは「インフレは物価が上がる現象」「デフレは物価が下がる現象」と言われますが、半分正解で半分間違っています。

どちらも単純に物価が上がるとか、物価が下がるとかいう訳ではないのです。

あくまで「所得の上昇率に対して物価の上昇率がどうなのか?」です。

 

例えば、極端な話、物価が毎月10%上がっても所得が毎月20%上がるなら、インフレとは言わないのです。所得が物価以上に上がれば、額面上の値段が上がっていても実際の支払い能力からの比率で言えば下がってますからね。

 

一方、物価が毎月10%下がっても、給料が下がらなければ購入できる数は増える訳ですからデフレとは言いません。

 

「インフレかデフレか」はあくまで所得の上昇率(もしくは下降率)に対してどうなのか?という相対的なものなのです。

 

そして、物価や所得は常に変動します。

ですから、経済はインフレかデフレどちらかの状態しか基本的にはない。そう思ってもらってほとんど間違いありません。

※スタグフレーションとかいうのもありますが、話がややこしくなるのでとりあえず横に置きます。

 

じゃあ、インフレとデフレ、どっちが良いのでしょうか?

 

経済にとってどちらが好ましいか 

それに答えるために、インフレとデフレで世界の状況がどう変わるかを考えてみましょう。

 

まずインフレの場合。

所得に対して物価が上がっていきますので、基本的に買いたい物は早く買っておいた方が得です。時間が経つほど高くなりますからね。

これは「貨幣の価値が下がる」ということです。「物の価値が上がる」と言った方がわかりやすいですね。どちらも言っている中身は同じです。

 

逆にデフレの場合。

所得に対して物価が下がっていきますので、基本的に買いたい物はすぐ買わずに値下がりを待ってから買った方が得です(売り切れなければ、ですが)。

これを経済学的に言うと「貨幣の価値が上がる」と言います。インフレとは逆に「物の価値が下がる」からです。

 

ということで、上記2つを比べるとわかるのは

 

・インフレだったら、お金は早く使った方が得。

貨幣の価値が下がっていくので、同じお金でも時間が経つと買える量が減るからです。

 

・デフレだったら、お金は使わずに取っておいた方が得。

貨幣の価値が上がっていくので、同じお金でも時間が経つと買える量が増えるからです。

 

ということです。

したがって、インフレだったらお金を持っておいても損するだけなので、さっさと使ってしまった方が良いです。例えば住宅ローンを組んだりするのも得です。今は3,000万円のローンを組めば買える物件が、5年後には4,000万円になっていたりしますから。

 

逆に、デフレの場合は色んな物の値段が下がっていきますから、使わずに貯蓄に走ります。現在の日本が正にそうです。

 

答えは?

ここまでを前提とした上で、「インフレとデフレ、どっちが良いのでしょうか?」。

答えはインフレです。

上で見たようにインフレの場合は個人や民間企業がどんどんお金を使うようになりますから、民間の投資も活発になり、皆さんの所得も増えます。

所得が安心して増えるようになれば、さらに皆お金を使うようになります。周りの人が使っていれば自分も使いたくなるのが人情ですし、何よりお金の価値が下がるので使った方が得だからです。

 

しかし、デフレの場合はお金を使わずに持っていた方が得ですので、皆使いません。

使わずにタンス(や銀行)に入れたままになっているお金が果たして景気を刺激するでしょうか?

するはずがありませんね。

タンスに入ってるお金は個人にとっては資産でも、国家経済にとってはただのほこりの被った紙切れです。

したがって、経済の循環を促すという意味ではインフレの方が好都合なのです。

 

ただ、もちろん現在のようなデフレによる不況だけでなく、インフレによる不況というのもあります。ですから、インフレなら何でも良いという訳ではありません。あくまでマイルドなインフレなら経済にとって好ましい、ということです。

 

ただこのようにデフレという物が悪いものだと書きましたが、これだけデフレが続くとある意味これが普通になってしまって、何が悪いのかが分からなくなってしまいます。

例えて言うなら、ずっと不況でボーナスが出なかったのでそれが当たり前になってしまった。それって本当はおかしいんだけど、ずっとそれが続くと慣れてしまって「今年はボーナスありません」って言われても驚かなくなった、みたいな感じでしょうか。

 

そこで次はなぜデフレを放置しておくと不味いのかを説明してしたいと思います!

 

今回も長文を最後までお読み頂き有り難うございました😆