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所得の下がってるのにGW10連休で景気刺激なんてできません。

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さていよいよ4月下旬。平成が終わり、新しい元号に改められるまで残すところ10日余りとなりました。すでに色々なところで言われていますが、平成になる時は昭和天皇がご崩御された直後だったということで、自粛ムードが漂い「新しい時代の幕開け」的なムードではありませんでした。

今回のような「新元号歓迎ムード」というのは、日本の歴史的にも非常に珍しいケースだと思います。

 

そんな新元号歓迎ムードを彩るのが、これまた前代未聞の大型連休となるGW。

10連休というかつてない長さの連休になるわけですが、「10連休!」というおめでたそうな言葉とは裏腹にあまり歓迎されていないのが実態のようです。

 

記事によりますと

 

その10日間のうち、全て休みという人は全体で3割強。
職種別で見ると、事務・バックオフィス職で10連休の人が5割と多め。しかし、医療・介護職や接客・販売職の人は1~2割と10連休は少なく、職種によって大きな差がみられました。

(中略)

ゴールデンウィークを楽しみと思う人は全体の4割となり、楽しみと思わない人の方が多数派という結果になりました。

 

なかなかの後ろ向きな結果ですね(笑)。

ただ、気持ちは分かります。

仮に10日間フルで休める人だとしても、大型連休だからと言って会社や国から特別ボーナスが出るわけじゃありません。GWにかけられる予算は例年と変わらないのです。

 

何のための大型連休か?

そもそも今回のGWはなぜ10連休になったのでしょうか?

直接の理由はご存知の通り5月1日に皇太子殿下が天皇に即位されるに当たり、5月1日が国民の休日になったことです。休日は5月1日だけで良いような気がしますが、なぜかその前後も休みにすることで前代未聞の大型連休になりました。

 

今「なぜか5月1日の前後も休みになった」と書きましたが、その理由は難しくはありません。政府の「国民の消費活動を刺激して経済を少しでも活発化させよう」という狙いです。さらに言えば、"経済が活性化している感"を演出することで、10月の消費増税を推し進めてしまおうという財務省の魂胆が見え見えです。

 

ズバリ言わせて頂くと、今回のGWは

 

「新元号便乗景気で消費増税をゴリ押ししよう!」キャンペーンの一環

 

というわけです。

 

しかし、大型連休を用意したと言っても、その分所得が増えているわけではありません。2014年の消費増税以降、日本国民の実質賃金は下がりっぱなしです。

こんな状況で「大型連休したったぞ! お金使え!! そして経済を回せ!!」って言われてもねぇ・・・。 

 

日本政府が猛烈プッシュする「観光立国」と「インバウンド」

今回の大型連休でプラスの効果が出るとしたら、やはり外食産業やサービス業、そして中でも観光業でしょう。 

上で書いたように、実質賃金が上昇していない状況 & 今年に入ってから食品類が続々と値上げしている状況での「大型連休による景気刺激策」はそもそもナンセンスだと思います。ですが、それで地方の観光業が潤うのであれば多少は意味があるかと思います。

 

ただ、私が気になるのはここ数年政府が力を入れている「観光立国化」「インバウンド」というキーワードです。

観光業による地方の活性化自体はもっと政府が後押しして進めるべきだと思います。しかし、それが「外国人を当てにした観光立国」であれば、それが本当に正しいのかどうかがかなり疑問なのです。

 

というわけで、ちょっと話が強引で申し訳ないのですが、今回はこの政府が目指す「観光立国」「インバウンド」について考えてみたいと思います。

↑まじで強引ですね。ごめんなさいww

 

デフレで値下げ競争になってもサービスの質は下げられない

本来「資本主義」というのは、投資家がリスクを背負って機械設備や社員の教育などに投資をして生産性を向上させることにより、生み出せる富の量を増やしていくシステムです。しかし、バブル崩壊後のデフレという不況の中で、日本の経営者たちは徹底したリストラや「正社員 → 派遣社員」への切り替えなどによる“コストカット”で、会社の利益を確保して来ました。

そのリストラされた社員や派遣に置き換えられた人たちは、「社内の人間」という目で見れば“コスト”ですが、日本全体で見れば“消費者”でもあるわけです。その消費者がリストラや派遣による置き換えで賃金が減るのですから、当然会社の売上も減少します。

で、売上が減るから、更に社員を削減。もしくは給料カット。

そうすると消費者の消費力が減るので売上ダウン。

以下そのループが続く、というわけです。

 

それはもちろん観光業も同じです。

社員を減らしたり、ホテルの宿泊料金を減らしたりしてコストカットをすることで当面の利益を確保してきました。しかし、サービス業が辛いのは、「値段を下げてもサービスの質を下げる」ということは中々受け入れてもらえないということです。特に日本人は。

 

外国人観光客の増加を政府が誇ってはならない。

日本政府はここ最近の外国人観光客の増加を誇らしげに語っていますが、実はこれ何も誇れる業績ではありません。
外国人観光客にとってなぜ日本が魅力的かというと、それは世界でもトップクラスといえるほど品質が高いサービスを提供するにも関わらず、価格がメチャクチャ安いからです。同じお金を払うなら

 

・サービスの質が高い

・安全

・食べ物が美味しい

・豊かな文化

 

と4拍子が揃っていて、その上「安い!」という日本が選ばれるのはあまりにも当然です。

つまり、外国人観光客が増えているのって、結局「デフレで国民が貧困化しているから」という理由なのですよ。

 

それを日本政府が威張ってどうする???

 

「観光立国だ」「インバウンドだ」とか“他人に頼った”政策に甘んじている暇があったら、さっさと日本人が豊かになり、日本人観光客で地方が潤うような政策をとれ!!

 

別に私は外国人観光客を呼ぶなとか言っているわけではありません。

海外の人たちに日本文化を知って貰うこと、日本人というのがどういう民族か知ってもらうことはとても良いことだと思います。

ただ、「日本人を差し置いて、それに頼るのは順番が違うよね?」という話です。

 

少なくとも観光による地域振興を志すのであれば、交通インフラあるいはITインフラの整備など何でも良いですが、地方のモノやサービスを生産力を向上させるための投資をするべきでしょう。日本国債の買い取りによって日銀の当座預金に積み上がっている500兆円という巨額のお金は、政府の懐を暖めるためにあるのではありません。国民生活を潤すためにあるのですから。

そのような投資なしにこれから日本が目指すべきは「観光立国だ」「インバウンド」などと主張するのは、“成長戦略”とやらではなく、本来日本国民が得るべき富を外国人に売り渡しているだけに過ぎないのです。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆