Dive Into The World

話題のニュースがどんな意味を持つのかを分かりやすく解説。普通の人たちと専門家をつなげるようなブログを目指します。

日本は米中貿易戦争の当事者であることをすっかり忘れている副総理

 人間誰しも触れられたくない恥ずかしい過去があると思います。いわゆる「黒歴史」と言われるものです。

大体は若い時にやらかしたことだったりするので、「まぁ、若い時はそういう時もあるよ(笑)」で済まされるんですが、私の黒歴史の一つは自民党が野党だった時代に現在の財務大臣である麻生太郎氏を支持していたことです・・・(ノд`@)

 

昔からメディアを通じて悪い印象ばかりが強調されていた麻生氏ですが、まともだった時期もあったのです。

「日本は借金だらけだ! もうすぐ破綻する!!」というデマを、財務省があらゆるメディアを恫喝してゴリ押している中、麻生氏は

「日本が財政破綻なんてするはずがない。」

「消費増税なんかやったらとんでもないことになる。」

「公共事業を行わなければこの国は駄目になる。」

と正しい主張をしていたのです。

 

ところが、与党に返り咲いて以来の豹変ぶりには、もう唖然とするしかありません。完全に別人になってしまったかのようです。

 

日本の景気拡大はアメリカからいじめられなくなったから

このロイターの記事の中で麻生氏はこのように発言しています。

 

麻生財務相は、平成元年となった1989年に「冷戦が終了し(米国の関心が)戦争から経済・貿易戦争に変わった」と指摘、「そのころから(日本の)対米関係が難しくなってきた」と述べた。「オバマ政権の最後の時期にようやく、米国は経済戦争の相手を日本でなくて中国だと切り替えた」と指摘し、「米国の態度が変わったのが(日本の景気拡大要因として)大きかった」と明言した。

 

いや・・・もう参りました。

色々突っ込みどころが満載なのですが、一番情けないのが「オバマ政権の最後の時期にようやく、米国は経済戦争の相手を日本でなくて中国だと切り替えたことが景気拡大の要因の一つ」だという部分。

 

これって平たく言えば

 

「昔はいじめっ子にカツアゲされてたからお金がなかった。でも、そのいじめっ子が別の金持ちの息子を見つけたから、そっちからカツアゲするようになった。お陰でこっちはお金が貯まるようになったよ。良かった良かった。」

 

って言ってるようなもんですよ。

自分の力では何も解決のための努力をせず、他にいじめられっ子が見つかったから良かったって・・・

国を与る者がそんな事で良いわけないだろうが!! 

∑( ̄皿 ̄;; ンガァーーー!!!

 

アメリカは今でも戦争という選択肢を外していない

麻生氏は1989年に「冷戦が終了し(米国の関心が)戦争から経済・貿易戦争に変わった」と言っていますが、デタラメも良いところです。

冷静終了後もアフガニスタン紛争、イラク戦争、ワジリスタン紛争、リビア内戦、IS戦争・・・・と、戦争をしてない時期などありません。というか、そもそもアメリカという国は建国以来、"戦争をしてない時期"の方が圧倒的に短いのです。

 

また麻生氏はどうも「銃火を交えるだけが戦争」だと思っているようですが、はっきり言って政治家失格です。「戦争」とはいわゆる武力を交える戦争だけではありません。たとえば今世間を騒がせている、アメリカによるファーウェイへの一連の動きも、将来の覇権をめぐる経済戦争の一環です。

現在の中国の科学技術力の進歩は尋常ではありませんし、実際"金の力"に物を言わせて世界中からITやAI(人工知能)の技術者を中国に呼び寄せています。「このまま中国の技術進歩を放っておくのは危険過ぎる」そう考えたからこそ、アメリカはカナダをも巻き込んでなりふり構わず中国のIT企業を叩き潰そうとしているのです。

もう既に中国とアメリカの戦争は始まっていると言っても過言ではありません。少なくとも当事者であるアメリカと中国はそう考えているでしょう。もちろん実際に武力衝突になるまでには、まだいくつもの段階がありますので実際に「戦闘行為」になるかどうかは別次元の話ですが。

 

そして実は国民が知らない間に、そのアメリカと中国の経済戦争には既に日本も巻き込まれています。

これは「例え話」で言っているのではありません。昨年行われた日米首脳会談の共同声明で次のように言っているのです。

 

日米両国は,第三国の非市場志向型の政策や慣行から日米両国の企業と労働者をより良く守るための協力を強化する。したがって我々は,WTO改革,電子商取引の議論を促進するとともに,知的財産の収奪,強制的技術移転,貿易歪曲的な産業補助金,国有企業によって創り出される歪曲化及び過剰生産を含む不公正な貿易慣行に対処するため,日米,また日米欧三極の協力を通じて,緊密に作業していく。」

 

ここで言う「非市場志向型の第三国」とはもちろん中国のことです。

面と向かって名指しはしていませんが、文脈から考えてそれ以外にあり得ません。その中国に対して日米は協力して対処していくと宣言してしまっているのです。

 

麻生氏は安倍内閣にいながら、しかも副総理という立場にいながら、自分たちの国が宣言したことの意味を全く理解していないようです。

 

「米国は経済戦争の相手を日本でなくて中国だと切り替えた」などと呑気なことを言っている場合ではないのですよ。私達もその経済戦争においてアメリカに味方すると言ってしまっているのですから!

我々はもはやアメリカと中国の経済戦争の当事者なのですよ! 麻生太郎副総理!!

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆