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円高/株安の混乱。自由貿易のデメリットに引きずり込まれる日本

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さて、既にニュースでも取り沙汰されていますが、3日序盤の為替取引で日本円が急伸し、対ドルで一時104円台後半にまで円高が進みました(その後108円台まで回復した模様)。

 

 

 

直接の原因はiPhoneで有名なアメリカのApple社の業績が下方修正されたことによる不安が広がったためと言われています。その結果、ロイターによると

 

世界経済を巡る懸念の高まりで安全資産(日本円)が買われた

 

のだそうです。

いや、面白いですね。

世界経済で不安が高まると「もう今すぐ経済破綻する!!」と、かれこれ30年ぐらい騒がれ続けている破綻寸前のはずの日本円が「安全資産だ」ということで買い込まれるそうです。いやぁ、もう意味不明ですね。

本当に日本経済が破綻するんだったら、日本円なんか買うはずないだろwwwって全力で突っ込まなければなりません。

 

また、この円高に歩調を合わせるように日経平均も暴落しています。

 

実は日本円の円高と株価の暴落は密接に関係しています。

ただでさえ昨年末にアメリカの株価暴落が起こった直後にも関わらず、今回のアップルの業績下方修正という「リスク」が発生。

そうすると投資家はみんなリスクを回避しようとする

「リスク回避」の動きが発生すると、日本円が買い込まれる

円高になる

円高が進んだ結果、日本の株が売られる

日経平均が下がる

 

という流れになるからです。

 

日本の株の売買の7割は日本人ではないという事実

ちなみに、さらっと「リスク回避の動きが発生すると日本円が買い込まれる」と書きましたが、なぜこのような流れになるのでしょうか?

それは日本の株式市場の取引の70%が外国人投資家によるものだからです。

 

いまだに「株式投資」というと成長が見込まれそうな企業に投資されているように思われていますが、そんなことはありません(昔はそうでしたが)。

単純に短期的な利益をもたらしてくれる場所として優秀かどうか、つまり「投資」ではなく「投機」先として優秀かどうかで判断しているのです。ま、ぶっちゃけて言うと「ギャンブルでどこに賭ければ、より勝てそうか」ということです。

それが外国人投資家になればなおさらです。日本の企業の成長率なんかどうでも良くて、単純に”ギャンブルの投機先として有利かどうか”だけの判断基準なのです。

 

だから、アメリカなどの海外市場で危険が発生すると、投資家はみな一気に少しでも安全な、仮にそれが利率が低くても”安全な投資先”へとお金を逃がすのです。それが「日本円」という訳です。 

したがって、日本の株価は為替レートで決まります。

外国の危機で円高になり、株安になるというお馴染みのパターンになってきたのです。 

 

米、欧州との自由貿易が日本を苦しめる

ただ、今回が今までのお馴染みのパターンと少し違うのが、円高を防ぐための日銀の介入に歯止めが掛かる可能性があるということです。

この急激な円高に対応するためには日銀による介入が必要になりますが、現在交渉が進められている日米貿易協定では為替条項導入をアメリカが求めています。

為替条項とは、相手国が通貨安誘導をしたと認定された場合、報復関税などの対抗措置を取ることができるというもの。つまり、アメリカの貿易が伸びない時に、事実がどうあれアメリカが「日本政府が円安誘導しているのが原因だ!」と主張すれば、報復関税などの対抗措置を取ることができるということです。

 

このタイミングで日銀が為替相場に介入すればアメリカから格好の餌食にされることは間違いありません。

そうなれば日本が為替相場において実施できる手段が非常に限られてしまい、日本経済に深刻なダメージを与えかねません。

 

また、昨年合意された欧州との自由貿易協定についての影響も忘れてはいけません。

この円高により日欧EPAによって期待される輸出額の増加は消し飛ぶでしょう。逆に円高により欧州からの輸入コストは下がるため、輸入品にはさらなるコストメリットが発生。日本の農家をさらに追い込むことになるのは避けられない。

 

「これからはグローバルの時代だ」

「グローバルの市場に打って出る」

 

などと勇ましいことを言っていた日本政府ですが、まさにそのグローバル化によるデメリットが一気に日本経済を襲うのです。

グローバル化信仰は世界ではとっくに終わり、世界の潮流は変わっている中、敢えてその荒波に突っ込んでいく日本の経済がどうなるのか。2019年も波乱の幕開けになったようです。

 

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆