Dive Into The World

話題のニュースがどんな意味を持つのかを分かりやすく解説。普通の人たちと専門家をつなげるようなブログを目指します。

「子どもが夢を観られる社会」を“無駄“だと切り捨てて良いのか?

ちょっと変な話から始まりますが、私はこの日本に暮らす人間の1人として、やはり子どもが明るい将来を夢観れるような社会であるべきだと思っています。

子どもが

「こんなロクでもない大人ばっかりの国にいたって仕方ないな〜」

と思う国よりも

「こんな凄い人たちが同じ日本人にいるんだ。自分もそんな人になってみたい!」

 

と思える国の方が健全ではないかと思うのです。

もし自分に子どもがいて「こんな道に進みたい」と言ったら、どんな苦労も厭わずにその夢を応援してあげたくなるのが親心だと思うのですが、私は間違っていますでしょうか?

 

私は親というのはそういうものだと思うのですが、残念ながら日本という国「子どもに夢を観させるなんて無駄」と考える寂しい国になってしまっているようです。

 

ICL(国際リニアコライダー)とは何か

何の話かといいますと、私がこのブログでも何度か取り上げている「ILC(国際リニアコライダー)」という国際的な科学技術プロジェクトのことです。このプロジェクトは

 

「宇宙の始まりである“ビッグバン”を人工的に再現することで宇宙誕生の謎を解き明かす」

 

という人類の夢を成功させる巨大装置を日本に建設しよう!というものです。

 

似たようなプロジェクトでCERN(欧州原子核研究機構)がスイスに建設したLHCという巨大装置があります(数年前に「神の粒子」と呼ばれたヒッグス粒子の発見で世界中で話題になりました)。みなさんが普段使っているWebサイトの技術も、実はこのLHCの研究の過程で生まれた技術でした。つまり「本来の研究目的の副産物」だった訳です。

今回のILC(国際リニアコライダー)というプロジェクトは、そのCERNの研究よりもさらに大掛かりなものになります。そのプロジェクトが日本で実行されれば世界随一の研究者たちが日本に集結することになるのです。

 

その過程で様々な新しい技術と発見がもたらされることになるでしょう。CERNのWebサイト技術が世界を変えたのと同じように、世界を変えるような新しい技術が生まれることになるのです。しかも、この日本で。

「宇宙の始まりを解明する」。そんな夢のようなプロジェクトが日本で行われたら、それだけでも子ども達への影響はものすごいことになると思います。その子ども達の中から将来、世界の科学技術の中心を担うような子が出てくる可能性も非常に高いと思いますし、何よりそんな夢を子どもたちに与えることができること自体が素晴らしいことだと思うのです。

 

世界中の科学者が日本を最有力候補として推している

その場所に日本の岩手県が最有力候補として挙げられています。

それも日本人が勝手に主張している訳でなく、当事者である世界中の研究者たちが「日本でこそやるべき。いや、日本でしかできない。」と日本に要請しているのです。しかも、その経済波及効果は4.3兆円、約25万人の雇用創出が見込まれています。

後は日本政府が「はい。やります!」と決断するだけ。本当にそれだけなのです。

 

なのに、なぜまだ日本で行われることが決定されていないのか。

他でもない日本政府が「お金がないから」という理由で躊躇し続けているからです。

じゃあ、それがそんなに大金なのか?というと、1年当たり300億円ぽっちです(建設事業なので10年間かかりますが)。もちろん一個人で考えればとんでもない金額ですが、GDP550兆円を抱える日本という国で考えれば、投資額はたった0.05%の投資にしか過ぎないのです。しかも別に払い損という訳ではありません。その投資分の雇用は10年間確実に生まれる訳です。何も損することはないのに何を躊躇しているのか。

仮に年収500万円の家庭であれば、年間2,500円の話です。

 

もし自分の子どもが、例えば医者になりたいとか、科学者になりたいとかいう夢を抱いて、もっと勉強したいから塾に行きたいと言ったとしましょう。それが年間2,500円だったら躊躇しますか? (これはたとえ話なので、2,500円とか逆に安すぎて恐いでしょうが(笑))。

日本政府はその程度の話を躊躇している訳です。

 

子どもが夢を観られる社会を

さらに日本政府にILCプロジェクトを思い止まらせようとしている「日本学術会議」という(科学者ではない)学者さんたちの集まりがあるのですが、その会議は何と「ILCにお金をつぎ込んでも成果が出るかどうか確証がないから止めておけ」と言っているのです。

さっきの子どもの例で言えば、子どもが勉強したいと言っているのに「お前の頭じゃ芽が出る確証がないから年間2,500円も払うのはもったいない」と言っているのと同じなのです。

 

そんな情けない国で、子どもたちが育ったら一体どうなるのでしょうか?

夢や希望よりまずは金。

そんな国で子どもたちは明るい将来を描くことができると思いますか?

 

私はそんなケチで情けない国になってほしくありません。子どもたちが夢や希望を抱けるような、そんな将来を示してあげられるような社会であるべきだと思います。

もちろん、事業としてやるわけですから経済波及効果の計算も大切です。しかし、日本政府にはそんな「金勘定」ではなく、どんな日本の未来を描くのか?という国家の大局を観た上での判断をして欲しい。そんな風に願っているのです。

 

ちなみに、ILCのような超巨大プロジェクトにも関わらず、日本ではさっぱり取り上げられないことも問題の一つです。もしちょっとお時間があるのでしたら、下記のKEK(高エネルギー加速器研究機構)のHPにある「漫画でわかるILC」をご覧ください。

さらっと読めて、ILCプロジェクトの魅力が理解して頂けると思います。

 

漫画で解る!ILC – ILC

 

今回も最後までお読み頂きありがとうございました😆