Dive Into The World

話題のニュースがどんな意味を持つのかを分かりやすく解説。普通の人たちと専門家をつなげるようなブログを目指します。

議席数は変えられても社会の空気は変えられない

既に散々報道されている通りアメリカの中間選挙が終わりましたね。

下院で民主党が巻き返したことはちょっと意外でしたが、大筋では予想通りかなという感覚です。別に議席数を予想してたわけではありませんが、大きなサプライズはなかったなという意味で。



相変わらず日本のメディアでは「民主党大勝利」とか「ねじれ国会」「トランプは運営が厳しくなった」とか「アメリカ第一主義の流れが変わる」とか言われてます。確かに政権運営には多少影響はあると思います。

ですが、大筋の方向には私は影響はないと思っています。

もちろん選挙の結果ですし、実際に議席数が変わる訳ですから純粋に「何も変わらない」という意味で影響がないということではありません。
私が言いたい影響がないというのは、反グローバリゼーションの流れはもはや止められないという意味です。


確かにアメリカの貧困率などを見るとリーマン・ショック直後のようなひどい状況ではないようですが、いまだに高い貧困率が維持されたままであり、経済格差が解消された訳ではありません(日本とは格差に対する価値観が違うと思いますので、日本における「格差」の意味とはイコールでないでしょうが)。

もともとトランプ政権の誕生は、レーガン大統領以来オバマ政権に至るまで進められてきたグローバリゼーションによって生まれた格差に対する、社会がその構成員である国民を守ろうとする社会自体の防衛本能としての側面があった訳です。その社会の格差が解消された訳じゃない以上、議会のパワーバランスが多少変わったからと言って、社会の空気そのものが大きく変化するとは思えません。

むしろ、今回民主党社会保険制度改革を訴えて議席を大きく伸ばしたことを考えれば、仮にトランプ大統領が二期目に選出されず民主党政権が誕生したとしても、「富の社会への再分配の強化」「格差是正のための政策」の方向で進み続けるのは間違いないと思います。

その空気の硬直は日本においても同じです。
日本でもどれだけ社会格差の広がりが訴えられても、規制緩和、自由競争という格差を広げようとする空気が変わらないことと同じです。何が正しいかではなく、「何が正しいと思われているか」がその社会の方向を決めるのです。
そして一旦醸成された空気を変えることは非常にむずかしいのです。

すわなち、日本のメディアが騒いでいるようにトランプ政権の是非そのものを語っていても、長期的な目で見れば何の意味もないのです。ただメディアが自分たちが考える正しい道かとトランプ大統領がやっていることが合わないから許せない、それだけのことではないでしょうか。
まぁ、言わば居酒屋で酒に酔った親父がクダを巻いているのと同じなのです。

勿論アメリカの情勢が日本に影響を与えることは間違いありません。その意味で今回の中間選挙を分析すること自体は手法の一つとして間違っていないと思います。
ですが、自分たちの方針と違うから文句を言うためちに粗探しを行っていても何も意味がありません。
今回の結果とそれに至った流れを分析し、そこからアメリカの次の手を予測すること。そして、その流れに潜む思想的な背景を知り、それとの比較分析により日本が進むべき思想的な道を考え議論することこそが重要なのではないかと思います。

そのような建設的分析を行う方は恐らく大勢いらっしゃいます。
ただ悲しいかな、メディアという表舞台に出てくる人たちにはそのような深い見識を持った方が少ないように思います。

日本にはたしかに活発な議論を行う文化はあまり根付いてないように思います。しかし、得られた情報を冷静に読み解く力は、面に出てこないだけで非常に高いレベルにあると思います。
願わくばメディアがそのような国民の知的興奮を刺激するような深いコンテンツが提供できるようにならんことを。
 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆