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「国民は守らなくて良いが企業は守らなくてはならない」とはこれ如何に?

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安倍内閣が国会に提出した「出入国管理法改正案」に関して、国会で議論が紛糾しているようです。

 

いくつか言いたいことはあるのですが・・・。

まずはこれ。

 

「移民政策をとることは考えていない。誤解を払拭したい」by 安倍首相

 

いやいやいやいや。

いやいやいやいや。

もういっちょ、いやいやいや。

何言っとんねん!!!

移民の定義とは

 

国連の定義:出生あるいは市民権のある国の外に12カ月以上いる人
OECDの定義:国内に1年以上滞在する外国人

ですよ。

政治難民ならまだしも、外国人留学生だろうが技術研修者だろうが言葉をどのように変えたとしても、今日本が受け入れている外国人労働者が国際的な定義に基づいて移民である事実は変えようがありません。

にも関わらず、なぜ安倍首相や内閣は「移民ではない」などと言い続けるのでしょうか。それには色々な理由があるのでしょうが、一つには安倍首相が「保守派層」からの支持を失いたくないからでしょう。

「移民を積極的に受け入れます」などと表明したが最後、保守派の方々から猛反発を食らうのは目に見えています。

というか、そういう保守派の方々も冷静に考えれば安倍政権が移民受け入れ政策を拡大しているのは分かっているはずですが、それを見て見ぬフリをしているのでしょうか。

ちなみに、私は「保守なんだから移民受け入れるな」と言っているのではありません。「保守なのだから自分たちが何を守るべきか?」を考えろと言っているのです。

 

 

 

それともう一つ。

今日たまたまテレビで国会中継を一瞬見たのですが、その時に安倍内閣の大臣の誰かが答弁において

 

「日本の人手不足は深刻だ。このままでは5万以上の企業が潰れてしまう。」

 

というようなことを言っておりました。

 

あのですね・・・・人手不足で潰れるような企業は潰してしまえ!!!

 

そもそも国家が守るべきは企業ですか?

違います。国家が守るべきは国民です。

優先順位を間違えてはいけません。

 

そもそも政府がまとまな経済政策を打たないため、いまだにデフレ不況から脱することができず国民生活が困窮している状態で、国民の負担を増加させる所得税率は上げ続け、さらに消費増税まで実施しようとしている。

その一方で、民間企業の法人税は引き下げています。

つまり企業から税金を取る手を緩める一方で、国民からの税金の取り立てはますます厳しくなっているのです。

 

そのような状況にも関わらず、人手不足のせいにして生産性向上のために必要な投資もせず、国民生活を困窮させる低賃金労働を強いるための移民政策を政府に求める企業など潰れてしまえ!!!

先進国の例を見てみると、戦後人口の増加に伴い民間企業の数も増加して来ました。しかし、その大臣とやらが認識しているようにこれからは日本の人口が減り、当然それに伴って就労人口も減少します。だったら、それに伴って企業も淘汰されていくのは、あまりにも当然ではないでしょうか?

 

そもそも資本主義社会において企業とはヨーゼフシュンペーターが言うように、イノベーションの繰り返しの中で成長していくものです。「創造的破壊」や「新基軸」だけが経済を発展させ、それだけがかろうじて資本主義を正当化する。

しかし、当然それは社会に不安定を引き起こしますが、それを補填するのが政府の役割なのです。決してやせ細って生産性の向上のために必要な投資もできないような企業を守ることでも、ましてやそのような企業を守るために国民に負担を強いるようなことはあってはなりません。
 
確かに、そのような社会の不安定化をもたらすことが資本主義社会の構造的問題だという人もいるでしょう。それを頭から否定するつもりはありません。
ただ、どのような社会体制が望ましいかの話をする前に、まずはデフレという異常事態から脱却してください。話はそれからでも遅くありません。国民生活が立ち行かなくなっては資本主義の是非を論じている暇はありません。

 

引用記事の中で

改正案の柱となる外国人労働者の受け入れ拡大に向けた在留資格の創設に関し、答弁書は「『日本人の雇用が減る』および『日本人の失業率が上昇する』とは考えていない」とも指摘した。

 という箇所がありますが、当たり前ですよ。

日本人の人手不足は深刻なのですから、日本人の雇用が劇的減ったりすることはまずありません。もちろん、好景気の時にも失業率はゼロにはならないのですから、多少の増減はあるでしょう。しかし、数値的に異常だと分かるほど失業率が高まることは考えにくいですし、仮に失業率が高まったとしても「移民を受け入れたから失業率が上がった」という因果関係を証明することはできません。

放っておいても達成されることをわざわざ表明することに何の価値があるのでしょうか?

要は事態がどのように変わろうが何とでも言えるし、この答弁書とやらを書いている人たちも責任を取るつもりはさらさらない、ということです。

 

問題は人手不足という絶好の生産性向上の機会において移民受け入れなどをしたら、生産性は向上されず日本人労働者の賃金もずっと低く押さえられたままになってしまうということです。

そして、賃金上昇が実現されなければいつまで経ってもデフレから脱却できない、ということが最も重要な問題なのです。問題をすり替えてはいけません。

 

人手不足を解消するためには生産性の向上しかない。

しかもそれは日本を長年苦しめてきたデフレ不況の脱却にも通じるものである。

そして、移民受け入れの拡大とはそれと逆行し、デフレを長期化&深刻化させるものである。

 

だからこそ私は移民受け入れ政策に反対するのです。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆