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日本政府が頑張って誤魔化しても堂々と本音を言っちゃうアメリカさんが格好良すぎる

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さてさて、先週アメリカで行われた日米首脳会談の件です。本当はもっと早くに投稿しようと思っていましたが、中国に出張していたため出遅れてしまいました(´;ω;`)

 

既に報道されているところですが、日本外務省によると

 

日米両国の経済的な結びつきをより強固なものとすることが,日米の貿易を安定的に拡大させるとともに,自由で開かれた国際経済の発展につながるとの考えの下,「日米物品貿易協定(TAG(ティーエージー))」について交渉を開始することに合意

 

したそうです。

このニュースをNHKで聞いた時、私は中国のホテルで晩御飯を食べているところだったのですが、マジで笑ってしまってむせてしまいました。貴重な日本食を返せ! (笑)

いや、笑い事じゃないんですけど、「TAGって何やねん。また新しい言葉作ったのか。」と思ったのですよ。それで暫くニュースを聞いていると、完全にFTAと同じなんですが「物品だけに限定した。サービス産業とか投資とかは別だから物品(=Goods)協定だ!」だそうな。

私は思いましたね

 

「そんな小学生みたいな屁理屈があるか!」

 

と。

また、仮にその政府発表を信じるのだとしても、どうせ最初は物品だけと言っておいて、次々に適用範囲が広がるに決っているのです。アメリカの・・・というかビジネスの世界でも普通によくある手法です。「とりあえずこれだけ。例外的に。」と言って一旦実行させてしまえば、次からは「あの時やってくれたんだから、今度も良いだろ。」という流れでゴリ押しで進められてしまうのです。

 

おまけに、日本は軍事的な安全保障という首根っこをアメリカに握られているのですから、それをカードとしてチラつかされれば、どのような不合理な条件でも飲まざるを得なくなります。

つまり、「交渉を始めた時点で日本の負けは確定」なのであり、「交渉のテーブルにつかない」ことが日本ができる唯一の方法なのです。

 

物品貿易協定(TAG)と自由貿易協定(FTA)じゃ大違い

という訳で、私はそもそも日本政府の発表やそれを鵜呑みにしたメディア報道の「日米物品貿易協定(TAG) 」とやらを信用しておりませんでしたが、果たして無事日本に帰国後、アメリカの駐日大使館のHPを確認したところ、共同声明にバッチリ書いてありますね。

 

米国と日本は、必要な国内手続が完了した後、早期に成果が生じる可能性のある物品、またサービスを含むその他重要分野における日米貿易協定の交渉を開始する 

 

「物品、またサービスを含むその他重要分野における日米貿易協定」だそうです。どこにも「物品限定」などと書いてありませんね。

もしかしたら「物品貿易協定だろうが、自由貿易協定だろうが同じなんじゃないの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、それらは全然違うものです。「物品」とはいわゆる物理的な物の形をとった商品です。

しかし、今回の共同声明に書いてあるような「サービスを含むその他重要分野」を含む自由貿易協定の場合、サービス業とかだけではなく、法律、金融サービス、社会制度などが海外との貿易に関わる要素はもちろんのこと、貿易の仕組までもが全て含まれますので、交渉の対象となる領域が全く違います。

 

端的な例として、先日新たにアメリカがカナダやメキシコと結び直した北米自由貿易協定(NAFTA)を見てみましょう。

 

今回のNAFTAでは「賃金条項」と「為替条項」が導入されました。

賃金条項とは、製品(今回の場合は自動車)の部品の40%以上を時給16ドル以上の地域で生産しなければならないという規定。一見中立の決めごとに見えますが、メキシコの時給は7ドル程度なので、事実上、メキシコ製部品の使用が抑制されることになります。

 

もう一方の為替条項。

これは、相手国が通貨安誘導をしたと認定された場合、報復関税などの対抗措置を取ることができるというもの。つまり、アメリカの貿易が伸びない時に、事実がどうあれアメリカが「日本政府が円安誘導しているのが原因だ!」と主張すれば、報復関税などの対抗措置を取ることができるということです。

 

どうでしょうか? 

私は正直これらは「ほぼヤクザの言いがかりと変わらない」と思います。どちらかの側が“あいつらの行動は自由や公平を欠いている”と判断すれば、一方的に報復しても構わない。そういう意味での「自由貿易」なのです。

 

ちなみに、アメリカはこの新しいNAFTA協定を、今後すべての通商交渉の「ひな形」にすると宣言しています。つまり、日本との貿易交渉においても同じことを盛り込んでくる可能性が非常に高いのです。というか、そうするに決まっています。私がアメリカ側の担当者だったら絶対そうしますよ。

 

「自由と公正のために必要な貿易協定を結ぶと言ったんだから、まさか嫌だなんて言わないよな〜〜?? あーん??? お前ら自由と公正という絶対正義に楯突こうってつもりか?? (▼皿▼#)ユルサン!!」

 

ってなもんです。

 

「NO」と言えないテーブルについた日本の愚かさ

確かに今回の協定でいきなりそこまで進むとは思いません・・・多分(笑)。相手があのトランプ政権なのでいきなり言ってくる可能性もありますね。

ただ、そんな事を言っても時既に遅し。もう既に“交渉のテーブルについてしまった”のです。日本政府はよく「これからアメリカ側と辛抱強く交渉していく」「日本の国益を主張する」とか言いますが、

 

今までその“交渉”とやらで、アメリカ側が譲歩してくれたことってありましたかね???

 

「本当は10,000円なんだけど、お客さん上得意だから9,980円にしといてあげるわー」レベルなら譲歩したこともあるかもしれませんがww

 

それにしても恐ろしいのはアメリカです。

タイトルにも書きましたが、今回のことを「物品貿易協定だ」とか言って誤魔化しているのは日本だけで、当のアメリカ側は自由貿易協定であることをこれっぽっちも隠していません。駐日大使館のHPにはご丁寧に英文、和文両方を堂々と掲載しています。

その上、ハガディ駐日大使に至っては、産経新聞の取材に対し

 

(産経の質問)ニューヨーク会談で日米物品貿易協定(TAG)の交渉開始で合意した。


(駐日米大使の回答)「われわれはTAGという用語を使っていない。メディア側の造語ではないかと思う。共同声明には物品と同様にサービスを含む主要領域となっている」

 

と「TAG」という言葉を完璧に否定しています(笑)。

まぁ、彼らにとってみれば自国の利益に適うことを実行している訳ですし、「自由と公正」という正義のためにやっているのですから「なぜ隠す必要がある? むしろ誇るべきことだろ?」というくらいの感覚でしょう。

その反対側で日本政府だけが勝手に「TPP以外の二国間交渉はやらないと宣言したのに、アメリカとの交渉始まっちゃったよ〜。やばいよ〜。何とかして誤魔化さないと!」と焦って、今回のような

 

「日米物品貿易協定(TAG)」であって、日米貿易協定(FTA)ではない! (`・ω・´)シャキーン

 

などという戯言を一所懸命言い張っている訳です。ああ、格好悪い。同じ日本人として恥ずかしい!!

 

それに比べてアメリカさん格好良いこと!!! (笑)

 

アメリカさんマジさんかっけーーー!!!

そこにシビれる! 憧れるぅーーー!!!

(from ジョジョの○妙な冒険)

 

はぁ・・・・情けね〜〜〜〜。

 

 今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆