Dive Into The World

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現在の世界の混乱を100年前に言い当てていた男

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さて、今日の投稿は読書レビューです。レビューするのは

 

中野剛志著 「日本の没落」

 

です。

 

ただ、中野剛志氏が自ら冒頭で書いていますが、この本自体が昔書かれたある本についての解説書みたいな本になります。

その本というのは、1918年にオスヴァルト・シュペングラーという歴史学者/哲学者が著した「西洋の没落」です。

 

つまり、私が今回書くのは「シュペングラーが書いた「西洋の没落」という本に対する、中野剛志氏の解説書のレビュー」ということになります。ややこしくてすみません(_ _;)

 

では、早速本題に行きましょう!

 

シュペングラーが書いた予言書

この西洋の没落というのがある意味で面白いコンセプトで書かれている書で、「西ヨーロッパ・アメリカ文化が今後歩む運命を予め描き出す」というもの。

 

つまり「予言書」なのです。予言書!!

「胡散臭い!!」と思われますか?

思いますよね〜〜(笑)。

ですが、胡散臭いの一言で片付けるのはもったいない、歴史的示唆に富んだ内容です。

というか、この予言書結構当たってます!!(笑)。

 

ちなみに、「西洋の没落」というと欧米社会だけを取り上げているかのように思われますが、「西洋的文化の社会」を対象としていますので、それにどっぷり浸かりこんだ我々日本も例外ではありません。

 

以下、この「西洋の没落」がどれだけ私達の社会を言い当てているのかを紹介してみます。

 

シュペングラーが予言した未来

 

(斜体&青字部分がシュペングラーの言葉です。このブログ用に要点だけまとめました)

 

1) 少子化を予言

覚醒存在が強まると、あらゆる文明において数百年にわたる人口減少の時期がはじまる。

人間の知性が肥大化すると、子供を持つことに対して「理由」を求めるようになるからだ。個人としては生きようとするが、群れとしてはもはや生きようと欲しないのである。

これが「文明化した人間の不妊」である。

 

コスパ」という言葉によって、子供を生むことだけでなく結婚までもが「必要なし」「そんな時代じゃない」とみなされ、少子化へと突き進む現役世代の精神がまさに予言されていると言って良いでしょう。

 

2) 世界都市の誕生と地方の疲弊

覚醒存在の強化により最後に生まれるのが世界都市である。自由となった知性の巨大な象徴であり、世界史の進路がここに集約される。これの巨大都市は自己の全ての母土を地方という概念によって破門し、低く評価する。

そして、世界都市では思考作業による知的緊張を肉体的緊張によって開放するためにスポーツがもてはやされ、その肉体的緊張を勝負ごとや賭博といった興奮によって開放することがもてはやされる。

 

東京という大都市に全てが集約され、それ以外は「地方」として切り捨てられる今の時代。政府ですらも「地方創生のお金が欲しければ、ちゃんと援助した分以上の利益が出せるようなプランを示せ」と地方自治体を恫喝するような有様です。

そのような大都市で、サラリーマンやOLが週末スポーツジムで汗を流し、あるいはスポーツ観戦に興じている現代。そして、今や「統合型リゾート」という曖昧な定義によりアジア最大級のカジノを実現させようとしている政府の姿と重なります。

 

3) 金融の支配

全ての思考が貨幣によって行われるようになる。すなわち、全ての価値を金銭的価値によって測るようになる。そのようにして貨幣が全ての知性を破壊した後に、デモクラシーもまた貨幣によって破壊されてしまうだろう。

 

人間の全ての活動が「金銭的利益」によって測られるようになり、金融市場による世界の支配が行われている現代。例えばTPPのように「国際競争に勝ち抜くため」として、民主主義的手続きを全てすっ飛ばして、政府主導で勝手に条約を結び、事後的に国会で承認を取り付けるという日本政府の姿と重なります。

 

 

お・・・・恐るべし、シュペングラー!!

100年前にここまで先を読んでしまうとは・・・!

 

他にもシュペングラーの予言はいくつもあるのですが、やはりそこは本書を是非実際に手に取って頂いた方が良いかと思います。

 

世界はシュペングラーの予言どおりに進むのか

ここまでシュペングラーの予言がいかに現代を言い当てているかを紹介して来ました。

ここで当然皆が知りたくなるのは「じゃあ、これから先の未来はどうなるんだ?」ということだと思います。

 

シュペングラーはこの後「皇帝主義が完成する。貨幣の支配に対する暴力の勝利。国民が群衆になっていき、昔のような原始的な社会になる」と書いています。

これは現在進行中である、トランプ大統領の台頭やEUの混乱を指し示しているかのように思われますが、まだ「原始的な社会」にまでは達していません。

果たしてそこまで我々は没落してしまうのでしょうか・・・。

 

それについては著者の中野剛志氏もそうですが、私も色々と考えるところがあり、必ずしもシュペングラーに賛同するものではありません。

これについては長くなりますので、また明日にでも機会を改めて投稿したいと思います。

 

とりあえず「読書レビュー」としてはここまで。

 

今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😆