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自分たちの生活に関わる「効率性」と「生産性」の意味を間違えるな

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「生産性」と「効率性」。言葉は似ていますが意味は全然違います。
大した違いじゃないと思うかもしれませんが、これを混同すると実にややこしいことになります。
 
例えば、竹中平蔵氏が「高度プロフェッショナル制度」について発言したようです。
 

曰く

「時間に縛られない働き方を認めるのは自然なことだ。時間内に仕事を終えられない、生産性の低い人に残業代という補助金を出すのも一般論としておかしい」

 
だそうです。
 
そもそも法律上、雇用者は労働者に一日8時間を超えて仕事をさせてはなりません。
しかし、それでは現実的に対応が出来ないケースが多いため、やむを得ず残業によってまかない、その対価として残業代を支払うのです。
 
したがって、本来雇用者には労働者が残業することなく業務が成立するように労働環境を整えることが求められます。
 
そういう意味では残業代というのは、雇用者の規定違反に対する罰金なのです。残業代の未払いというのは、法律で決められた罰金の不払いであるから違法なのです。
 
また、竹中氏が言うような「時間内に仕事を終えられない、生産性の低い人」というのも、明らかに生産性の高さや低さを労働者に一方的に押し付けようとする印象操作です。
たしかに「時間内に仕事を終えられない人」もいるでしょう。人間の能力とは一定ではありません。
しかし、そういう人は"効率性"が悪いのです。"生産性"が悪いのではありません。
 
効率性と生産性、どっちでも良いと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、これは全然違うものです。
 

効率性は労働者の裁量で成否が分かれるものですから、それが悪いということであれば、それは仕事をする人のやり方が悪いという話になります。 

でも、生産性というのは前述の通り生み出された商品が持つ付加価値の高さです。それは労働者一個人の裁量により左右される訳ではありません。

生産性が悪いというのは、その労働者の能力であればもっと高い付加価値を持つ商品を生み出せるはずなのに、設備が整っていなかったり、そもそもあてがう仕事が能力に見合ってなかったりするせいで、高付加価値の商品を生み出せないことを言うのです。

したがって、それは経営者の経営方針や商品政策、労働者の働かせ方、そして設備投資などの労働環境が悪いという話になります。

つまり、本来の意味で生産性が悪いならば「経営者が労働者に働いてもらう環境を整える」方向に行くわけです。

 
 
効率性と生産性。
この2つの概念はしっかりと分けて考えるべきです。
こういった概念の混濁が経済学者などにつけ込む隙を与え、国民の生活を危うくするのです。
 
今回も長文を最後までお読み頂きありがとうございました😊