Dive Into The World

話題のニュースがどんな意味を持つのかを分かりやすく解説。普通の人たちと専門家をつなげるようなブログを目指します。

経営と経済は別物。経営者だから国民経済のことが分かるとは限らない。

経団連の次期会長となられる方がこのような発言をしてらっしゃるそうです。

 

消費税率については、経団連が将来的に税率10%超も「有力な選択肢」との見解を示しているが、中西氏は10%になっても、税率が高い欧州各国など「他の国々の水準からは遠い」と指摘。さらなる引き上げも議論する考えを示した。

 

何という無知。恐るべき無知。

実は私の会社の取締役も8%への増税時にも同じことを言っていました。「たった3%上げただけで景気が悪くなる訳ない」とも。

 

結果はどうだったでしょうか?

2014年の増税以来4年間もの間、国民の対前年比での実質消費が下がり続けています。

13年の実質消費を100とすると、17年は何と92.9。 

この4年の間に7%も購買力が落ちてしまったのです。

 

そもそも今のデフレ経済は1997年の消費増税を機に始まりました。

また、1%の増税で2.5兆円税収増になるということになっていますが、実際はバブル期の0% > 3%の時でさえ5兆円しか増えておらず、1997年の3% > 5%の時は4兆円の税収減になっています。

 

この事実を知っていれば、

 

・10%への増税が国民生活にどれだけの負担をもたらすか

・税率を上げたところで税収が伸びる可能性は限りなく低い

 

ということは容易に想像がつくはずです。

 

デフレでない国々とデフレである日本を並列に並べて、「他の国々の水準からは遠いののだから、10%以上の税率引き上げも当然」などと言うのは、底抜けに頭が悪いとしか言いようがありません。

 

恐らくこういう方々は「これからの高齢化社会でますます社会保障費が増えていくのだから税収を増やさなくては日本の財政は破綻する」などと言うのでしょう。

しかし、税率は上げられても税収はそう簡単には上げられません。日本の税収が低いのは税率の問題ではなく、国民の所得水準が低いからです。

したがって、税収を増やしたいのであれば、所得水準を上げ、消費を促すような政策をとっていかなければなりません。つまり本来、経団連がやるべきことは消費増税の提言などではなく、国民所得水準を上げるための最低賃金の引き上げです。

 

恐らく最低賃金の引き上げなどと言うと経団連は猛烈に反対するでしょう。

しかし、消費税の引き上げで欧米を引き合いに出すのであれば、最低賃金の水準も欧米に見習うべきですが、主要先進国の中で日本の最低賃金は最低レベルで韓国よりも低くなっています。

その一方で日本の労働者の質は主要先進国でもトップクラスの世界第4位。

 

世界トップクラスの質の労働者を先進国最低水準の賃金で雇う経営者団体。その首魁が経団連です。

 

国民に過度な負担を課す消費増税の議論をする前に、まずは自分たちが今行っていることを冷静に見つめ直し、国民経済にとって本当に必要なことは何なのかを考えて欲しいものです。

 

今回も最後まで長文をお読み頂きありがとうございました😆